「NISAを始めたいけれど、何から手をつければいいのかわからない」「口座開設や積立設定が難しそうで、つい後回しにしている」そんな方は多いのではないでしょうか。新しいNISAは、手順さえわかれば初心者でも始められる制度です。この記事では、口座開設から毎月の積立設定までを6つのステップに分けて整理します。
この記事でわかること
- 新しいNISAの基本と、以前の「つみたてNISA」との違い
- 始める前に決めておきたい3つのこと
- 口座開設から積立設定までの6ステップ
- 金融機関を選ぶときのチェックポイント
- 初心者が注意したいポイントとよくある疑問
NISAは、投資で得た利益にかかる税金が非課税になる制度です。2024年から制度が新しくなり、使える金額や期間が大きく広がりました。一方で、「手続きが面倒そう」「どこで口座を作ればいいのかわからない」という理由で、なかなか一歩を踏み出せない人もいます。
新しいNISAを始めるうえで大切なのは、 「完璧な準備」よりも「手順を一つずつ進めること」 です。
月1万円の積立にどんな意味があるのか、老後資金とどう関係するのかは、月1万円投資で老後不安を減らす|新NISAで始める少額投資のはじめ方と10・20・30年シミュレーションで詳しく解説しています。この記事では「実際にどうやって始めるか」に絞って説明します。
新しいNISAとは|まず押さえたい3つのポイント
手続きに入る前に、制度の全体像を簡単に確認しておきましょう。細かいルールをすべて覚える必要はありません。
新しいNISAの3つのポイント
- 投資で得た利益(売却益・分配金など)が非課税になる
- 「つみたて投資枠(年120万円)」と「成長投資枠(年240万円)」を併用できる
- 非課税で保有できる期間は無期限。生涯で合計1,800万円まで非課税で保有できる
通常、投資の利益には約20%の税金がかかります。たとえば10万円の利益が出た場合、約2万円が税金として差し引かれますが、NISA口座の中であればこの税金がかかりません。長く続けるほど、この差は大きくなります。
以前の「つみたてNISA」との違い
ネットや本では、今も「つみたてNISA」という言葉を見かけます。これは2023年までの制度の名前です。現在の制度とは内容が違うため、古い情報で判断しないよう注意しましょう。
| 項目 | 以前のつみたてNISA(〜2023年) | 現在のNISA(2024年〜) |
|---|---|---|
| 積立の年間上限 | 40万円 | つみたて投資枠 120万円 |
| 非課税期間 | 最長20年 | 無期限 |
| 成長投資枠との併用 | 不可(一般NISAと選択制) | 可能 |
| 生涯の上限 | 800万円 | 1,800万円(うち成長投資枠1,200万円) |
これから始める人は、 現在のNISAの「つみたて投資枠」で毎月の積立を設定する と覚えておけば十分です。
始める前に決めておきたい3つのこと
口座開設の前に、次の3つを決めておくと、その後の手続きで迷いにくくなります。
1.何のためのお金か
老後資金、教育費、いつか使う予備資金など、目的によって「何年くらい持ち続けるか」が変わります。NISAはいつでも売却できますが、値動きがあるため、数年以内に使う予定のお金には向きません。
2.毎月いくら積み立てるか
最初は「やめずに続けられる金額」で十分です。月1万円からでも、つみたて投資枠を使って長期で積み立てることができます。収入や支出が変わったら、後から金額を変更することもできます。
3.生活防衛資金を確保できているか
急な出費に備えるお金は、投資とは別に現金で持っておきます。生活防衛資金がないまま始めると、急な出費のたびに投資を取り崩すことになり、長く続けにくくなります。
口座開設の前に用意しておくもの
申し込みの途中で手が止まらないよう、次のものを手元にそろえておきましょう。
用意しておくもの
- マイナンバーカード(ない場合は、マイナンバーが確認できる書類と本人確認書類)
- 本人名義の銀行口座(入出金や引き落としに使う)
- メールアドレスとスマートフォン(申し込みや本人確認で使うことが多い)
- クレジットカード積立を使う場合は、本人名義のクレジットカード
必要な書類や使える本人確認の方法は、金融機関によって少しずつ違います。申し込みの画面で案内を確認しながら進めましょう。書類さえそろっていれば、申し込み自体は短い時間で終わることがほとんどです。
新しいNISAの始め方|口座開設から積立設定までの6ステップ
ここからが実際の手順です。金融機関によって画面や名称は少しずつ違いますが、大きな流れは共通しています。
STEP1 NISA口座を開く金融機関を選ぶ
NISA口座は、証券会社や銀行などで開設できます。NISA口座は一人1口座までなので、どこで開くかは最初に決める大事なポイントです。選び方のチェックポイントは、次の章で詳しく紹介します。
STEP2 口座開設を申し込む
多くの金融機関では、スマホやパソコンからオンラインで申し込めます。証券口座を持っていない場合は、総合口座とNISA口座を同時に申し込む形が一般的です。
STEP3 本人確認書類とマイナンバーを提出する
NISA口座の開設にはマイナンバーの提出が必要です。マイナンバーカードがあれば、スマホで撮影してアップロードするだけで済む場合が多く、手続きがスムーズです。
STEP4 口座開設の完了を待つ
NISA口座は、金融機関を通じて税務署の確認が行われたうえで開設されます。完了までの期間は金融機関や時期によって異なり、数日から数週間かかることもあります。完了の連絡が届いたら、ログインできるか確認しておきましょう。
STEP5 入金方法を決める
積立の代金をどこから支払うかを決めます。証券口座への入金、銀行口座からの自動引き落とし、クレジットカードでの積立など、金融機関によって選べる方法が違います。毎月手間なく続けられる方法を選ぶのがポイントです。
STEP6 つみたて投資枠で積立を設定する
最後に、「どの商品を」「毎月いくら」「いつ買うか」を設定します。このとき、必ずNISA口座(つみたて投資枠)での買い付けになっているかを確認しましょう。課税される通常の口座(特定口座など)で設定してしまうと、非課税のメリットを受けられません。
ポイント
積立設定が終わったら、最初の買い付け日に「NISA口座で買えているか」を一度確認すると安心です。
金融機関を選ぶときの5つのチェックポイント
どこでNISA口座を開くかで、選べる商品や使い勝手が変わります。次のポイントを比べてみましょう。
金融機関選びのチェックポイント
- つみたて投資枠で選べる投資信託の数と種類
- 積立の最低金額と頻度(毎月・毎週・毎日など)
- 入金方法(自動引き落とし・クレジットカード積立など)
- スマホアプリやサイトの使いやすさ
- わからないときの問い合わせ窓口やサポート
一般的に、ネット証券は取扱商品が多く、少額から設定しやすい傾向があります。一方、銀行は対面で相談しやすい反面、扱う商品が限られることがあります。どちらが正解ということはないので、自分が続けやすい方を選びましょう。
なお、NISA口座を開く金融機関は、年単位で変更することができます。最初の選択で失敗したと感じても、取り返しがつかないわけではありません。
積立設定で迷いやすい3つのこと
金額:最初は少なめでもいい
積立額は後から変更できます。最初から無理な金額にすると、生活が苦しくなって積立を止めることになりかねません。続けられる金額で始め、慣れてきたら見直しましょう。
タイミング:毎月の決まった日でいい
「いつ買うのが得か」を考えすぎる必要はありません。積立投資は、価格が高いときも低いときも同じ金額を買い続けることで、購入価格を平均化していく方法です。給料日の後など、自分が管理しやすい日を選べば十分です。
商品:人気より「中身」を確認する
私自身も、最初は数ある商品の中から何を選べばいいのか迷いました。ランキングやSNSで人気の商品が、自分に合うとは限りません。商品を選ぶときは、何に投資しているのか、どれくらい値動きする可能性があるのか、信託報酬などのコストはどの程度かを確認しましょう。自分で納得して選んだ商品は、相場が下がったときにも慌てにくくなります。
一つの商品に集中せず、地域や資産を分けて持つ考え方は、分散投資の基本|初心者向けポートフォリオの考え方と集中投資との違いを数値例で解説【体験談つき】で解説しています。
新しいNISAで注意したいポイント
注意ポイント
- NISAは非課税の制度であり、元本が保証されるわけではない
- NISA口座で出た損失は、ほかの口座の利益と相殺(損益通算)できない
- 売却して空いた枠が使えるようになるのは翌年以降
- NISA口座は一人1口座まで
特に覚えておきたいのは、NISAは「税金がかからない制度」であって、「損をしない制度」ではないということです。値下がりする時期があることを前提に、長く続けられる金額と商品を選びましょう。
初心者が避けたいのは、 非課税という言葉だけで安心して、内容を確認せずに始めること です。
よくある疑問Q&A
Q.途中で積立をやめたり、お金を引き出したりできますか?
できます。積立の停止や金額の変更、保有している商品の売却はいつでも可能です。ただし、売却のタイミングによっては元本を下回ることもあります。
Q.以前のつみたてNISAで買ったものはどうなりますか?
2023年までの制度で買った商品は、現在のNISAとは別に、もともとの非課税期間が終わるまで非課税で持ち続けられます。現在のNISAの枠に移すことはできません。
Q.年の途中から始めても大丈夫ですか?
問題ありません。つみたて投資枠の年間120万円はあくまで上限です。使い切る必要はないので、始めたいと思ったときから無理のない金額で始めましょう。
Q.NISAとiDeCoはどちらを優先すべきですか?
目的や働き方によって変わります。いつでも引き出せる自由度を重視するならNISA、老後資金づくりと節税を重視するならiDeCoが選択肢になります。違いはNISAとiDeCoの違いと活用法|2026年12月のiDeCo改正後の使い分けを初心者向けに解説で整理しています。
制度の見直しについて
NISAは税制改正によって見直されることがあります。たとえば2026年度の税制改正では、2027年から18歳未満も一定の範囲でつみたて投資枠を使える仕組みなどが盛り込まれました。始める前や見直しのときは、金融庁のNISA特設ウェブサイトなどの公式情報で最新の内容を確認しましょう。
今日からできる行動ステップ
まずはこの順番で進めましょう
- お金の目的と、毎月積み立てる金額を決める
- 生活防衛資金が確保できているか確認する
- チェックポイントを見ながら、NISA口座を開く金融機関を1つ選ぶ
- マイナンバーカードを用意して、口座開設を申し込む
- 開設が完了したら、入金方法と積立設定を行う
- 最初の買い付けが「NISA口座」でできているか確認する
今日中に全部終わらせる必要はありません。まずは金融機関を1つ選んで、口座開設の申し込みまで進めてみましょう。
まとめ|新しいNISAは「手順を一つずつ」で始められる
新しいNISAは、つみたて投資枠と成長投資枠を使い分けながら、非課税で長く資産を育てられる制度です。手続きは、金融機関を選び、口座を開き、積立を設定するという流れで、一つずつ進めれば初心者でも難しくありません。
大切なのは、制度の仕組みと注意点を理解したうえで、自分が続けられる金額と商品を選ぶことです。
考えているだけでは、資産形成は始まりません。小さく始めて、続けながら整えていきましょう。
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