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「iDeCoが改正されるらしいけど、結局いつから、何が変わるの?」——2026年は、iDeCo(個人型確定拠出年金)に関係する改正が1月・4月・12月と続く年です。掛金の上限アップ、70歳までの加入、受け取るときの税金のルールなど、変更点がいくつもあり、ニュースを見ても全体像がつかみにくくなっています。この記事では、2026年のiDeCo改正を時系列で1枚の表に整理し、会社員が12月までにやっておきたいことをまとめます。
この記事でわかること
- 2026年のiDeCo改正を「いつ・何が」の時系列で整理
- 12月の改正で変わる3つのポイント(掛金上限・70歳まで加入・手続き)
- すでに始まっている改正(受け取りの10年ルール、マッチング拠出)
- 自分に関係する改正の見分け方
- 会社員が12月までにやっておきたいこと
※制度の内容は、厚生労働省「私的年金制度、iDeCoの改正のポイント」、国税庁タックスアンサーNo.2732、運営管理機関(松井証券・マネックス証券)の公式発表で2026年10月15日に確認したものです。最新の情報は、各公式サイトで確認してください。
【早見表】2026年のiDeCo改正はいつから?時系列まとめ
まずは、2026年に動く改正を日付の順に並べます。すでに始まっているものと、12月から始まるものがあります。
| 時期 | 何が変わる? | 主に関係する人 |
|---|---|---|
| 2026年1月1日〜 (開始済み) | iDeCoの一時金を受け取ってから退職金を受け取る場合、税金の調整期間が4年→9年に延びた(いわゆる「5年ルール」→「10年ルール」) | 退職金があり、iDeCoを一時金で受け取る予定の人 |
| 2026年4月1日〜 (開始済み) | 企業型DCのマッチング拠出(自分の上乗せ掛金)で、「会社の掛金を超えてはいけない」という制限がなくなった | 勤務先に企業型DCがある会社員 |
| 2026年12月1日〜 | iDeCoの掛金の上限が引き上げ(会社員は月6.2万円の枠に) | 会社員・公務員・自営業者など |
| 2026年12月1日〜 | 60歳以上70歳未満の人が加入できる「第5号加入者」が新設(70歳まで積み立て可能に) | 50代・60代 |
| 2027年1月26日 | 新しい上限が使える最初の掛金(2026年12月分)の引き落とし日 | 掛金を増やしたい人 |
| 〜2029年11月30日 | 条件に当てはまらない60代でも新しく加入できる特例の期限 | iDeCoを使ったことがない60代 |
出典:厚生労働省「私的年金制度、iDeCoの改正のポイント」、三菱UFJ信託銀行「年金ニュース」(2025年12月)、国税庁タックスアンサーNo.2732、松井証券「iDeCo制度改正のお知らせ」
この中で、多くの会社員に一番大きく関係するのは 12月の「掛金の上限の引き上げ」 です。順番に見ていきます。
12月の改正ポイント1|掛金の上限が引き上げ
2026年12月1日から、iDeCoに出せる掛金の上限(月額)が引き上げられます。会社員の場合は、勤務先に企業年金があるかどうかで上限の考え方が変わります。
| 区分 | 改正前(月額) | 改正後(月額) |
|---|---|---|
| 会社員(企業年金なし) | 2.3万円 | 6.2万円 |
| 会社員(企業型DC・DBあり)・公務員 | 2.0万円 | 6.2万円 − 会社の掛金 |
| 自営業者など | 6.8万円 | 7.5万円(国民年金基金などと合算) |
| 専業主婦(夫) | 2.3万円 | 2.3万円(変更なし) |
| 60歳以上70歳未満(第5号・新設) | − | 6.2万円(企業年金などと合算) |
出典:松井証券「iDeCo制度改正のお知らせ」(2026年8月31日掲載)、厚生労働省「私的年金制度、iDeCoの改正のポイント」
「月6.2万円」は全員ではありません
- 月6.2万円まで出せるのは、勤務先に企業年金がない会社員だけです
- 企業型DCやDB(確定給付企業年金)がある人は、「6.2万円 −(企業型DCの会社の掛金+DBなどの掛金相当額)」が上限です
- 新しい上限が使えるのは、2026年12月分の掛金(2027年1月26日の引き落とし)からです
企業年金がある人の計算方法は、会社の掛金ごとの早見表つきでiDeCo改正で会社員の掛金上限はいくら?企業年金がある人の計算方法を例で解説にまとめています。
12月の改正ポイント2|60代も70歳まで積み立てられる
これまでは、60歳を過ぎて国民年金の被保険者でなくなると、iDeCoへの積み立ては続けられませんでした。2026年12月1日からは、新しく「第5号加入者」という区分ができ、条件を満たせば70歳になるまで掛金を出せるようになります。
第5号加入者になれる主な条件
- 60歳以上70歳未満で、国民年金の被保険者ではない
- iDeCoの加入者・運用指図者、または企業年金の資産をiDeCoに移す人
- 老齢基礎年金やiDeCoの老齢給付金を受け取っていない
- 企業型DCでマッチング拠出をしていない
さらに2029年11月30日までは、2つ目の条件に当てはまらない60代でも新しく加入できる特例があります。
加入できない人や、働き方による違いはiDeCo改正で60代も加入できる?70歳まで積み立てられる条件と2029年11月までの特例で詳しく解説しています。
12月の改正ポイント3|すでに加入している人は掛金変更の手続きが必要
上限が上がっても、掛金は自動では増えません。すでにiDeCoに加入していて掛金を増やしたい人は、自分で変更の手続きをします。
手続きの方法や期限は、iDeCoの口座がある金融機関によって違います。たとえばマネックス証券は、公式サイトで次のように案内しています(2026年9月1日掲載)。
手続きの例(マネックス証券の場合)
- 12月分から増やしたい人の書面での事前申込み:2026年10月30日必着
- Web(e-iDeCo)での変更:2026年12月1日〜12月24日の受付で、12月分の掛金から変更
- 掛金の変更は原則年1回だが、改正前の上限を超える引き上げは、法令上の特例で回数に数えられない
自分の金融機関の案内は、公式サイトのお知らせや、届いている郵便物で確認しましょう。10月末が締め切りの金融機関もあるので、早めの確認がおすすめです。
すでに始まっている改正1|iDeCoと退職金の「10年ルール」(2026年1月〜)
2026年1月1日以後に受け取るiDeCoの一時金から、受け取るときの税金のルールが変わっています。
iDeCoの一時金を先に受け取り、そのあと退職金を受け取る場合、退職金の税金を計算するときに調整される期間が「前年以前4年内」から「前年以前9年内」に延びました。これまでの「5年空ければ大丈夫」は、実質「10年空ける」必要があるということです。
こんな人は要注意
- 勤務先から退職金(退職一時金)が出る予定の人
- iDeCoを60歳前後に一時金で受け取り、その数年後に退職金を受け取る予定の人
どれくらい税金が変わるのかは、仮の数字で試算したiDeCoと退職金の受け取り方|「5年ルール」が「10年ルール」に変わった2026年からの注意点を試算で解説で紹介しています。
すでに始まっている改正2|企業型DCのマッチング拠出(2026年4月〜)
勤務先に企業型DCがある人向けの改正です。会社の掛金に自分の掛金を上乗せする「マッチング拠出」で、これまであった「自分の掛金は、会社の掛金を超えてはいけない」という制限が、2026年4月1日からなくなりました。
ここで注意したいのは、マッチング拠出をしている人は、iDeCoに掛金を出せないことです。会社の制度で上乗せするか、iDeCoを使うか、どちらかを選ぶ必要があります。どちらが有利かは、会社の制度(商品のラインナップや手数料の負担)によって変わるため、勤務先の案内もあわせて確認しましょう。
あなたに関係する改正はどれ?タイプ別チェック
| あなたのタイプ | 特に確認したい改正 | 次に読む記事 |
|---|---|---|
| 企業年金がない会社員 | 掛金の上限が月2.3万円→6.2万円 | 会社員の掛金上限 |
| 企業型DC・DBがある会社員 | 「6.2万円 − 会社の掛金」の計算、マッチング拠出との選択 | 会社員の掛金上限 |
| 退職金が出る予定の人 | 受け取りの「10年ルール」 | iDeCoと退職金の受け取り方 |
| 50代・60代 | 70歳まで加入(第5号)、2029年11月までの特例 | 60代のiDeCo |
| これからiDeCoを始める人 | 金融機関の選び方(口座は1人1つ) | 金融機関の選び方 |
会社員が12月までにやっておきたいこと
12月までのチェックリスト
- 勤務先の企業年金を確認する:企業型DC・DBがあるか、会社の掛金はいくらか(人事・総務や加入者サイトで確認)
- 自分の上限を計算する:企業年金がない人は6.2万円、ある人は「6.2万円 − 会社の掛金」(千円未満切り捨て)
- 60歳まで使わないお金がいくらあるか考える:生活防衛資金とNISAの積立を先に確保し、その残りでiDeCoに回せる額を決める
- 加入中の人は、金融機関の手続き期限を確認する:10月末が締め切りの金融機関もある
- 退職金がある人は、受け取り方の順番も考えておく:iDeCoの一時金と退職金の間は「10年」が目安
iDeCoのお金は原則60歳まで引き出せません。上限が上がったからといって、無理に上限まで出す必要はありません。NISAとの使い分けはNISAとiDeCoの違いと活用法で整理しています。
【筆者の場合】改正をどう受け止めているか
筆者(とも)は40代の会社員で、勤務先には企業型DCがあります。そのため、改正後のiDeCoの上限は「6.2万円 − 会社の掛金」です。
筆者はこれまで、iDeCoを使っていません。理由は、NISAを優先してきたことと、iDeCoは原則60歳まで引き出せないことです。今回の改正で上限は広がり、60代も積み立てを続けられるようになりましたが、考え方の順番は変わっていません。NISAの枠を使い切れるようになってから、「60歳まで使わないお金」としてiDeCoを検討するつもりです。
一方で、改正で選択肢が大きく広がったのも事実です。改正の全体像を一度整理しておくと、「自分はどこまで使うか」を落ち着いて判断しやすくなると感じています。
これからiDeCoを始める人へ|金融機関の選び方
iDeCoの口座は1人1つの金融機関でしか持てません。何十年も続ける制度なので、毎月の手数料と、長く持ちたい商品があるかどうかが大切です。たとえば松井証券のiDeCoは、公式サイトによると次のような特徴があります(2026年10月時点)。
- 運営管理手数料はどなたでも0円。加入後に毎月かかる手数料は、国民年金基金連合会と信託銀行への支払いを合わせて月171円
- 投資信託など40種類の商品を用意(法令上の商品数は31商品)
申し込む前に確認したいこと
- 加入時に2,829円、他社へ移る際に松井証券の手数料4,400円がかかります(公式サイト表示)
- 運用する商品によっては元本割れの可能性があります。手数料や商品は変わることがあるため、最新の内容は公式サイトで確認してください
ほかの金融機関との比べ方は、iDeCoの金融機関の選び方|手数料・商品数・サポートの比べ方【企業年金がある会社員向け】で整理しています。
改正の組み合わせで迷ったら
iDeCoは、勤務先の企業年金、退職金の時期、NISA、60歳以降の働き方など、ほかの要素との組み合わせで最適な使い方が変わります。自分だけで判断しにくいと感じたら、FP(ファイナンシャルプランナー)に一度整理してもらうのも一つの方法です。
- 相談は無料ですが、保険などの提案を受ける場合があります。内容に納得できなければ、その場で断って問題ありません
- 利用条件(年齢・職業など)があるため、申し込む前に公式サイトで確認してください
- 勤務先の企業年金の資料や、ねんきん定期便を手元に用意しておくと、話がスムーズに進みます
まとめ|2026年のiDeCo改正は「自分に関係するもの」から確認を
2026年は、1月に受け取りの「10年ルール」、4月に企業型DCのマッチング拠出の見直し、12月に掛金の上限引き上げと70歳までの加入、とiDeCoに関係する改正が続く年です。
すべてを覚える必要はありません。 まずは「勤務先の企業年金」と「退職金の有無」を確認し、自分に関係する改正だけを押さえる のが近道です。すでに加入している人は、金融機関の手続き期限も早めに確認しておきましょう。